押し鮨とかまぼこが一つに

2016年1月15日
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 「2020年に年間2000万人」を目標に掲げ、観光立国の実現を目指している日本ですが、訪日外国人急増の背景に、和食が、ユネスコの無形文化遺産に登録されたことも見逃せません。すき焼、天ぷら、うなぎ、ラーメン……。中でも、寿司は人気抜群で、世界各国で愛されています。

 ところで、かまぼこの寿司「鮨蒲」をご存知でしょうか。新鮮な魚介類を上に乗せた、まさに押し寿司。北陸・富山のメーカー河内屋が開発した製品で、上に乗せるタネは、「紅鮭」「甘エビ」「あなご」と多種多様です。

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 鮨蒲誕生の経緯については、河内屋のHPで次のように紹介されています。
『ある日、家族を連れてお寿司屋さんに行ったんです。そこで、「どうして寿司屋は人気があるのだろう?」、「なぜ高くても注文するのだろう?」「なにが違うんだ?」と考え、寿司ネタに付加価値があるからだということに気づきました。そこで、今までにある富山のかまぼこ独特の固定概念は取り払い、かまぼこにありとあらゆるいろんなネタを1000種類ぐらい貼りつけて試作をしました。そうして完成したのが、河内屋の「鮨蒲」です』。

 これが、鮨蒲を世に広めた故河内一雄氏(元河内屋代表取締役会長)の説明ですが、鮨蒲のルーツをさらに、調べてみると、昔からあった「のしかまぼこ」、あるいは「すり身付き」といったかまぼこ製品に行き当たります。

のしかまぼこは、その昔、長方形の板かまぼこの中央だけ焼き色を付けて、それを熨斗に見立てたり、魚介類を上に載せたりしたもので、全国各地で作られていた記録が残っています。
 また、すり身付きかまぼこというのは、古くから作られていたようで魚の皮などにすり身を付けて蒸し上げたものと伝えられています。

 全国には、まだまだ、その存在が知られていない珍しいかまぼこ製品が埋もれています。そんな珍品、逸品を探すのも一興です。

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